感染対策

精神科施設 クロストリディオイデス ディフィシル感染対策

こんな場面で困っていませんか?

今日担当の患者さん、いつもより下痢の回数が多いな・・・・・・・・

普段と違うような気がする・・・

統合失調症で入院している60歳の男性

抗精神薬長期に内服、緩下剤も毎日飲んでいる。

通常の便は、泥状か液状の緩い便、緩下剤を減らしてしまうと便秘になってしまう。

🥵発熱があり、抗菌薬治療後、多量の下痢症状が発生した。

便を検査に出すと、CD抗原陽性・トキシン陽性ですと報告があった。

トイレは、共有。

ドアではなくカーテンで開け閉めの洋式トイレ

トイレの手洗い場には、液体石鹸・ペーパタオルの設置がない。

マニュアルを見ると、個室対応・アルコール消毒剤が効かないと書いてある。

看護や処置の後、流水と液体せっけんでの手洗いを行うように!

とも記載がある。

異食患者が入院しているため、

病棟内に手洗い場、液体せっけん・ペーパータオル

設置ができないよ 〜 鍵にも触れるし つまり手が病棟で洗えない

どうやって、感染対策を行えばいいのかわからない。

と悩んでいるあなた

この記事を読めば感染対策のヒントになる!

結論

  1. 施設全体の流水と液体せっけんでの手洗いができる病室を把握しておく
  2. 病棟単位から施設単位で感染対策ができるか視点を変える
  3. 接触感染で伝播する鍵などの物品を専用とする(感染者用の鍵を準備)

3つの視点で感染対策を考えましょう。

🦜 鳥の目線(広い視点):精神科施設全体を上から見て考える

施設全体のどの場所で感染対策ができるのか

(他の病棟も検討する)

🐜 蟻の目線(小さな視点):病棟内で対策できる病室はあるか

・病棟で手洗いができる病室が何箇所あるか確認しておく

(病棟マップに感染対策動線を入れてみる)

🐟 魚の目線(流れを読む):感染は流行していないか

同じ下痢症状の患者さんは複数いないか確認する

(共通した内容はないか 例:経管栄養チューブ等)

そもそも

◉◉◉◉◉

Clostoridioides difficile とはどのような細菌なのか

人や動物の腸管など

偏性嫌気性菌:酸素のほとんどないところで発育

グラム陽性球菌:グラム染色で青色に染色する細菌でまるい形。

芽胞形成:環境が良ければ発育し、環境が適さなければ生命活動を止めて芽胞形成

芽胞

  • 熱に強い
  • アルコール消毒が効かない
  • 環境に長期間生存できる

◉◉◉◉◉

どのような患者に発症しやすいのか

抗菌薬治療をおこなった患者さん

基礎疾患がある患者さん

経管栄養チューブ挿入中の患者さん

制酸剤投与中の患者さん

どのような症状になるのか

  • 下痢
  • 発熱
  • 白血球の増加
  • 巨大結腸症
  • イレウス
  • 腸管穿孔

抗精神薬による、消化器への影響をわかりやすく記事にしています。

精神科身体合併症 便秘・下痢・感染症 編 ①

精神科で遭遇する感染経路

Clostoridioides difficileは、

口から入り、肛門から出ていく

患者さんの鼻や口から入る行為・手の汚染場面や汚染される場所を考えてみましょう。

1 患者から患者へ

汚染した👉手指を舐める(爪をかむ)

娯楽物品(将棋・オセロ・集団療法時のゲーム物品)による接触感染

雑誌の汚染

共有トイレのレバーやカーテン

共有入浴場所の着脱時の長椅子

ポータブルトイレ

2 職員からの患者へ

職員の手指汚染🫲(食事介助・💊内服・不眠・不穏時薬)

職員の🔑鍵の汚染

🍪 おやつの汚染

🪥 歯ブラシ・歯磨き粉の汚染

こだわりがある患者のコップなどの汚染

トロミ粉の汚染

経管栄養ボトル・チューブの汚染

内服薬注入用カラーシリンジの汚染

ポータブルトイレの汚染

陰部洗浄ボトルの汚染

クラシコ

感染対策の工夫

  1. 流水と液体せっけんで手が洗える個室で対応する
  2. 手袋・ディスポエプロンを着用する
  3. 物品を専用とする(鍵・拘束体マグネット・ディスポの歯ブラシなど)
  4. 便で汚染される環境の清掃と消毒(患者・職員が触れる場所)
  5. 汚染した手が触れた薬・食物・物品などの対策(口に入るケアの視点)
  6. 娯楽物品等は、清拭消毒できる素材に変える

病室の環境や物品の清掃について以下記事がおすすめです。

👇

精神科施設での環境整備

鍵の汚染についてはこちらの記事で

精神科施設で使用する特殊物品 鍵・拘束帯の洗浄・消毒・保管

感染対策はいつまで継続すればいいの?

通常の排便が、下痢に近い正常であれば感染対策の判断が難しい

以下内容にて施設や患者さんの活動状況に合った対策を行う。

  • 下痢症状が止まるまで
  • 治療薬が終了時まで
  • 治療薬終了から72時間後まで

まとめ

  • 精神科でも抗菌薬の使用があるため、Clostoridioides difficileは発症する
  • 発症した場合、拡大し集団発生しやすい
  • 手が洗える場所を探し、施設全体でどこで感染対策を行えるか考えましょう。

精神科感染対策への第1歩

精神科患者さんの平均年齢も高齢化しています。

身体機能の低下や抗精神薬副作用により、細菌感染症が発生しやすい状態です。

感染症を治療するため、抗菌薬が使用されると、

腸管内の細菌叢バランスが崩れ、抗菌薬下痢症が発生します。

「手が洗えないから、感染対策ができない」ではなく

どこで手が洗えるのか😔患者配置は、どの病室が最適か考える。

精神科施設全体のどこで感染対策ができるか

視点を変えてみてください。

難しいからこそ、一緒に知恵を出しましょう!

ABOUT ME
spring
感染管理認定看護師・特定行為研修終了者 精神科施設で感染対策に従事。 精神科感染対策の難しさに直面、EBM・参考書も少ない中、同じ悩みをもつ人へ情報を提供したい。 感染対策でお困りの際は、ご連絡お願いいたします。 困っているテーマをブログで記事にしていきたいと思います。 Twitter @spring00761727