はじめに
COVID19が5類に移行して、初めての大規模な感染拡大を経験しています。
精神科の医療現場や障害者施設でのクラスターが発生していますね。
認知症病棟では・・・
マスクを着用できない、手の消毒ができない、病室にじっといることができない
患者さんが大半です。
集団生活の場で、患者さんから患者さんへの感染経路を防ぐことが困難だと感じます。
認知症病棟では、高齢者が多く、複数の合併症(糖尿病、心臓病、肺疾患、高血圧など)
を抱える患者さんが多く入院していますね。
感染症の拡大を最小限にし、COVID19にかかってしまう患者さんの重症化を防ぐには
どうすれば良いか。
経験したクラスターをもとに自施設で、結果を振り返り何ができるか考えたいと思います。
結論
- 認知症病棟では、患者から患者への感染経路遮断が困難
- Covi19の流行前に病棟の分析を行う
- 活動状況別患者分類を考えてみる
- 感染対策に協力を得られない患者分類し対策を準備する
認知症病棟の問題点
- 閉鎖病棟でもCovid19病原体は持ち込まれる
- 高齢者・合併症を持つ患者が多い
- 集団活動の場であるため、クラスターが発生しやすい
- 発見時には、複数名陽性者が発生している
認知症病棟でのCovid19発生を振り返る
自施設での感染発生を振り返り分析を行ってみる
さらに具体的に・・・
認知症患者さんの活動状況を分類してみる
病棟のベッド配置では・・
- 個室・多床室(大部屋・四人部屋等)
- 各エリアには、活動状況の違いがある患者さんが混在している。
- 各エリアには、感染対策に協力を得られない患者さんが混在している。
- 活動状況別・感染対策協力別のグループ分けも検討を行ってみる。
自力で移動する、車椅子で移動、自力では移動が困難な患者さんが病棟・病室に混在していませんか?
活動状況別にA・B・C・Dゾーンで分けてみると・・・
活動状況別でゾーンを分けた場合
B・Dゾーンは、患者さんの自力移動ができません。
・職員の手指消毒・個人防護具
(手袋・ディスポエプロン・ゴーグル・マスク)の適切な実施が可能です。
・間接的な接触感染経路物品(鍵・抑制帯取り外し器具等)の区分けができます。
認知症患者さんの日常生活動作スケール紹介
このスケールを活用してどのような活動状況か分析してみましょう。
ホールや食堂など集団活動する場所での感染対策が重要となります。
以下、記事も参考してくださいね。
認知症患者さんの感染対策協力分類を考える
さらに認知症病棟患者さんの活動状況と、感染対策に協力が得られない患者さんを分析してみましょう。
さらに身体合併症を持つ患者を分類してみましょう。
重症化した場合の病室を準備しておくと急変時に、早期に対応ができます。
誤嚥性肺炎にも注意が必要ですね。過去記事で紹介しています。
まとめ
- 活動状況の分類を考え、エリア分けができる場合はエリアでの対策を検討
- 中等症や重症化した場合の対策を決めておく
- 患者さんから患者さんへの感染経路を最小化する。
今回は、認知症病棟で分析してみましたが、
他の精神疾患機能別病棟での
感染対策に協力を得られない患者を分類できるような
スケールが必要だと思います。
精神科では患者さんから患者さんの感染経路が発生します。
EBMになるようみなさんと一緒に考えていきたいですね。