Covid19感染経験から、感染管理認定看護師本人や家族も感染してしまう。
感染管理担当者が不在の場合、組織全体や病棟現場での感染対策の指導や戦略が練れないこともある。
BCPから
施設内にもう一人、感染管理認定看護師が存在するととても心強い!
- 結論
- 働いている精神科病院を知ることから、始めましょう。
- まずは、施設内をすべて歩きましょう。
- 精神科病院の構造(院内全体と病棟の細部)を知ること
- 精神科病院の患者(入院・外来)を知ること
- 精神科病院の職員の特徴を知ること!
- まとめ
結論
- 感染対策に興味があり、この仕事が好きな人を人選する
- 感染対策リンクナースから教育を行なっていく
- 教育課程受講から免許取得後のロードマップを一緒に考える
働いている精神科病院を知ることから、始めましょう。
意外と施設内を知っているようで、知らないことが多いです。
施設全体と各部署の細部は、どの様な配置となっているか?
職員・患者さんのトイレは、全体で何個あるの?
各病棟で
月・火・水・木・金・土・日曜日
24時間で一番忙しい時は?
二人目の感染管理を目指す看護師さんには、以下のことをおすすめします。
まずは、施設内をすべて歩きましょう。
あなたが働いている病棟の感染対策問題点を知るために以下内容を確認して分析する。
以下3つの視点(精神科病院構造・患者特性・職員の特性)から考えましょう。
精神科病院の構造(院内全体と病棟の細部)を知ること
あなたが働いている精神科病院や病棟を思い浮かべてみましょう!
以下項目を把握しているか、1つずつ確認してみましょう。
・精神科病院全体の構造図面を、確認しましょう。
(閉鎖・開放病棟の数、導線やエレベーターの箇所)
・各病棟の構造図面を確認します。(鍵の掛かる病室数や場所の確認)
職員は、目的場所に移動するまで、何回鍵やドアに触れるのかヒントになります。
・病棟機能を確認する(急性期病棟・慢性期病棟・認知症病棟・依存症病棟)
・病棟の閉鎖構造(汚染物を運ぶ動線常に鍵に接触する場所・箇所数)
手が汚染した状態で、距離、接触箇所数など、時間がかからない病室を見つけるヒントになる。
・閉鎖エリアの確認(病床エリアの区分けが可能か、トイレ、汚物処理室の位置)
・病棟で感染対策ができる場所の確認(流水と液体せっけんでの手洗いができる場所)
患者さんの精神症状が悪化する場合、異食等の症状があれば液体石鹸が鍵のかかる室内しか
設置できない。
アルコール消毒剤が効きにくい病原微生物は、伝播経路を遮断することが困難になります。
例:クロストリディオイディス・ディフィシル(芽胞形成菌)やノロウイルス等
・病棟で感染性廃棄物を捨てる場所(数、距離、接触場所)
・病棟の空調・換気の状態(陰圧室があるか、無い場合の対策)
・病院食運搬経路(導線が重なっていないか、距離、ドアに接触する回数)
・ナースステーションの配置
・車椅子やストレッチャーの保管場所
車椅子の安全ベルトも汚染していることが多いです。
・リネン類保管室(清潔・汚染リネン)
・浴室やトイレ、洗面所の位置
・感染者病室(位置、数)
・基礎疾患がある患者(位置、数)
・ホールの位置(利用人数・内容、食事、集団作業療法)
・集団生活の場(畳の部屋・喫煙所、私物庫等)
精神科病院の患者(入院・外来)を知ること
あなたが働いている病棟や受け持ち患者さんから考えてみましょう!
・疾患:どのような疾患が多いのか?(例:認知症、統合失調症、依存症など)
・年齢:どのような年齢層が多いのか(例:10代、20代、30代、40代・・・)
・性別:男女比(性別によってなりやすい病気、生殖器の感染症、尿路感染など)
・精神科疾患治療薬
(治療年数、薬の作用・副作用、検査結果、血液、尿、レントゲン検査)
・身体合併症:(糖尿病、高血圧、心臓疾患、腎臓疾患、肝機能異常、脳血管障害等)
・既往歴:手術歴、肺炎、その他
・移動状況:ベッド上、車椅子、介助歩行、自立歩行
・排泄:オムツ使用、ポータブルトイレ使用、共有トイレ使用、陰部洗浄実施患者数
・食事:経管栄養、胃瘻、ベッド上での食事介助、ホールでの食事介助、自力摂取
・清潔(入浴・清拭):全介助、一部介助、自立
・病室:保護室、トイレ付き個室、トイレなし個室、2床室、4床室
・行動制限の状態:5点拘束、3点拘束、1点拘束、個室内
・マスクが着用(できる人数・できない人数)
・手指消毒や手洗い(できる人数・できない人数)
・感染対策の協力(個室待機が可能な人数)
・入院期間(年、月、日 例:入院歴20年など)
・身体の清潔(手指の汚れ、口腔内の汚染、陰部、褥瘡)
精神科病院の職員の特徴を知ること!
あなたの働いている病院や病棟にはどのような職員が訪れるのか
病棟に訪れる職員の1日平均数を考えてみる。
1-1 病棟にはどのような職員が出入りするのか(職種・時間帯・曜日・接触距離)
・医師(何人訪れるか、時間帯、曜日)
・看護師(日勤・準夜勤・深夜勤・早出業務・遅出業務・休日の人数)
・看護助手(日勤、休日の人数)
・清掃業者(日勤・休日の人数)
・リハビリテーション職員(日勤、曜日、時間帯)
・心理士(日勤、曜日、時間帯)
・精神保健福祉士ソーシャルワーカー(日勤、曜日、時間帯)
・学生(医学生・看護学生・リハビリテーション学生等)
1-2 病棟に訪れる職種の感染対策状況を確認する
・携帯アルコール消毒剤の持参率
(例:医師20%、看護師70%、リハビリ担当50%)
・ポシェットアルコール250mlの持参率
(例:医師0%、看護師80%、リハビリ担当10%)
・感染症患者を把握しているか(病室、どのような感染症か理解しているか)
・手洗いできる場所を理解している。
・個人防護具が設置してある場所を理解している。
・個人防護具を廃棄する場所を理解している。
・鍵:(個人の鍵、共有する鍵)をどのように持参しているか。
・病棟を横断していく職種・職員を把握する。
・職員は、病棟内をどのように移動するか(時間・場所・職種)
まとめ
- ・はじめは、施設の構造・患者特性・職員の状況を知ることから教えていきましょう。
- ・ラウンドする際も、1時間ずつ時間をずらすと違う場面を観察できることを伝えましょう。
- ・現場を歩き、自分の目で観察し、問題点を考えるヒントを提案する。
私も、過去振り返ってみると
施設のことを、知らなかったな・・・
と思います。
教える側・教わる側双方にメリットになる取り組みです。
感染対策は、一人ではできません。
仲間を作り、次の感染症に備えましょう。