発達障害患者さんの感染対策で困ってませんか?
例えばこんな場面
同じ場所、同じ時間、同じ物など決まったパターンで行動してしまい、手順が変わってしまうと混乱してしまう。
学習スタイルが特異性・社会的コミュニケーションが取れない
感覚刺激に敏感だったり、鈍感だったりする。
結論
強みを活かし、弱みをカバーした感染対策
そもそも発達障害とは・・
- 遺伝的要因:遺伝子が関与(脳の構造)
- 環境要因:心理的・物理的(機能の偏り)
発達障害にはどのような分類があるのか
1)広範性発達障害
- 自閉症スペクトラム
- アスペルガー
- 特定不能の発達障害
2)学習障害
- 読字障害
- 書字表出障害
- 算数障害
- 特定不能の学習障害
3)注意欠如・多動性障害
- 不注意優勢型
- 多動性・衝動性優勢型
- 混合型
ICD10 DSM5を参考に作成
ASD の早期兆候
視線が合わない
他の子供に興味を示さない
指差しで興味のあるものを伝えない
年齢相当の友達関係がない
人の気持ちや意図が分からない
言われたことを場面に応じて理解するのが難しい
冗談がわからず、文字通り受け取る
会話が続かない
などがある。
発達障害の視点を学ぶ(よくある誤解)
怠けている | 状況理解が困難 |
---|---|
反抗期 | コミュニケーションが困難 |
頑固 | 他者の視点に立つ難しさ |
やる気のなさ | 何をすればいいのか・いつ終わるのか見通しが持てない |
わがまま・気が利かない | 切り替えが困難
中位維持が困難 感覚が敏感・鈍感 問題解決の技術が足りない パニック・フラッシュバック |
発達障害者の感染対策支援のポイント
- 秩序だっている説明
- 予測できる内容にする
- 明確で具体的な内容(どこで、何を、どのようにして、どのくらいの間)
- 本人が慣れ親しんだものを活用する
- 興味や関心を活かす
- 視覚的な支援を活用する (写真や絵・漫画)
- 不要な刺激を減らす(光・音・風)
発達障害者への手指衛生への取り組み例
1日のスケジュールの見える化
8時 ベッドから起きる(顔と手を洗う)
8時30分 食堂で手を消毒する
朝ご飯を食べる
9時 トイレに行く(トイレの手洗い場で液体石鹸と水で手を洗う)
11時 食堂で手を消毒する
12時 昼ごはんを食べる
13時 歯を磨く
15時
16時
17時 食堂で手を消毒する
18時 夕ご飯を食べる
21時 就寝
発達障害者の強み
- ルーチン 同じことを同じように繰り返しできる
- こだわり好みがあるので利用する
- 少しずつ段階的に行動を形成すること
まとめ
- ゆっくり話して説明する
- 具体的な場面、物事について話す
- 否定的、皮肉、曖昧な表現はしない
- 選択肢の提示や、はい・いいえ質問
- 視覚化する
- 本人の思いを聞く
- 見通しを持たせる
- 感覚の特異性に留意する
精神科感染対策の第1歩
発達障害者の強みを伸ばし、弱いところはカバーする。
発達障害者に対する姿勢を変えることができる
障害 👉 特性 👉 個性
視点を変えれば感染対策も工夫ができる。
その人の個性に合った感染対策を考えることができる。(きっとできる)